Birdis Land's
北 欧 旅 行 記
in June 1996


第四話 「北極圏の自然 2」

1996年6月23日

朝7時起床。今日は昨日掲示板に貼り出されていたツアー(滝見学)に参加する予定だ。身支度をして、階下のレセプション前へ行くと、昨日はあった申込用紙が剥がされていた。近くにいたスタッフらしき、いかにも山男といった風情のにいちゃんに、今からでも参加出来るかどうか聞くと、ツアーのガイドに聞いてくれた。OKということなので、カードで参加料を支払う。ただし、ランチパケットは前の日に言っておかないと用意出来ないので昼飯は自分で用意して下さいとの事。隣のナチュールームの売店まで昼飯を買いにいく。

9時にツーリストスタショーン前の広場にある平たい石の横に集合。天気は曇り。昨日より雲が厚く、今にも雨が降り出しそうで寒い。気温は12〜3度。参加者は全部で20人くらい。ガイドのおねーさんがやってきて、簡単な挨拶の後、出発。この国の人は皆歩くのが早い。それにマイペース。ガイドさんはさっさっさっと歩いていき、ついていく人もさっさっさっと歩いてついて行く。しかし、ゆっくり行きたい人はガイドさんを無視して適当に休みながらマイペースでついて行く。はたから見ていると、とても同じ集団とは思えない。日本人的団体行動が全くあてはまらないのだ。

ガイドのおねーさんは最初は簡単な英語でも説明してくれたが、すぐにスウェーデン語だけになってしまった。でも、一緒に歩いていた参加者の何人かが気を利かせて、ガイドさんの話す内容を英語に訳してくれたので助かった。話の内容はというと、ここは雪崩の跡ですよ、とか、雪の積もっていた高さの跡ですよ、とか、これは蚊を食べる花ですよ、とかそっけない。日本の観光旅行のように教科書的な内容を台本通りに機械的に説明するのではなく、要所要所で簡単にポイントだけを言っているようだ。興味のある人は自分から積極的に質問し、ガイドは質問に対して詳しく答える。一方、 説明云々より景色を楽しみたい人は、ガイドさんを無視して適当に休みを取りながら写真をとったりしている 。実に、いい意味での個人主義が浸透してて気持ちが良かった。

通訳してくれたイギリス人らしい人の話では、例年なら蚊がいっぱいいるのだが、今年は天気が悪くて寒いせいか蚊が全然いないのでラッキーなのだそうだ。あと2週間もして天気が回復し暖かくなれば、辺りは一面蚊の大群に覆われるらしい。寒さと天気の悪さにうんざりしている私達は複雑なコメントだった。

ツアーの目的の滝は日本人の感覚からすると ただの流れの激しい川 だったが、それなりに楽しめた。それよりも、歩いているうちに次第に天気が回復し、青空も見えてきたのが嬉しかった。ツーリストスタショーンに戻るとベリーとアップスジュースのサービスがあり、ツアーの感想を話しながらジュースを飲んで解散。よく歩いた。

靴に泥がついたので、玄関横にある靴洗浄機(?)で靴を洗う。ガソリンスタンドでみかける自動車の洗車機のような構造で、左右と下面の3面にブラシがセットしてあり、その間に靴を入れて水道水をかけながら足を前後に動かすと、靴の泥が取れるわけだ。なかなか面白い。また、広場には吊り下げ式の計りがあって、子供向けの注意書きだろう、「 リュックサック用。自分自身は量らないでね。 」と書いてあった。

一旦部屋に戻ったが、天気がよくなってきたので近くを散策することにする。スウェーデンに来て初めて見るすっきりした青空とまぶしい太陽。昨日は何となく寂しそうに立っていた マイストング も、気のせいか堂々と輝いて立って見える。せっかく天気がよくなったので近くを散策することにした。 昨日登ったニュッラ山の方 から トーネトレスク方面 別荘が建っている地域 までツーリストスタショーンのまわりを散歩しながら、北極圏の夏を満喫した。

部屋にもどってビールをのみながら日記を付ける。連れ合いはいつもの昼寝。旅行記を付けていると眠気が襲ってきた。3時頃仮眠を取る。

6時頃連れ合いに起こされて夕食へ。今日はアラカルトで典型的なスウェーデン料理、ショットブラル(KO:TTBULLAR 肉団子)を頼み、プラスビュッフェを2人分頼んだ。今日気がついたのだが、どうもアラカルト組とビュッフェ組は座るところが違うようで、入口から入って右側の、広いほうがビュッフェ。壁で仕切られた左側の狭いほうがアラカルト用のテーブルなようだ。アラカルト用テーブルにはナンバーがうってあり、注文した料理はそこにとどけられるシステムみたいだ。ビュッフェはいわゆるバイキング料理スタイルで好きなものと取ってきて食べられるがいいが、その分割高のようだ。アラカルトにしとけば選んだメニューの料金だけなので安上がりだったかもしれないが、今回は新婚旅行、ケチケチしても仕方ない。

肉だんごは旨かった。量もたっぷり。ソースが抜群で、一見ライスかと間違うほどこんもり盛ってあったマッシュポテトとのコンビネーションも最高。 ビュッフェの肉もスウェーデン産のビールも旨かった 。毎日ビュッフェで1万円近く夕食に出費してしまったが、今日のが最高だった。デザートは例によって階下のストーシュテューガンに持ち込み、コーヒーを飲みながらくつろぐ。

夜8時からお隣のナチュールームでアービスコの野性動物のフィルム上映会があったので見にいく。最初フィルムを20分間程見て、そのあとスタッフのにいちゃんが延々と説明をした。説明はスウェーデン語オンリーなので、連れ合いは途中で退屈して部屋に帰った。スウェーデン語が分からないので無理はない。もっとも、私もスウェーデン語はほとんど聞き取れず、実際退屈だったのだが、見栄を張って最後まで聞いていた。客は年配の方が多いが、若者も数人混じっていた。皆、私語もなくおとなしく熱心に説明を聞き、質問も積極的にしていた。

上映会が終わり、部屋に帰ると9時半。まだ早いのでストーシュテューガンでちょっと酒をひっかけてから寝ることにする。先ほどスウェーデン語をさんざん聞いたのに加え、カウンターの店員が若くて可愛いおねーさんだったので、ちょっといいカッコしてスウェーデン語で酒をオーダーをしたところ、無事通じた。ウィスキーをロックでもらう。相変わらず外はまだ明るい。長い一日だった。


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