Birdis Land's
北 欧 旅 行 記
in June 1996

第七話 「再びストックホルムへ」

1996年6月26日

今日は移動日。飛行機を乗りついで北極圏から離れ、ノルウェーの首都、オスロを経由して再びストックホルムに戻るのだ。飛行機の機動力を生かした、直線距離で約1000キロ以上の長距離移動だ。

朝、ホテルで 朝食を済ませ 、タクシーで空港へ移動しようとして、またまた現金が少ないことが発覚。まったく同じ失敗を繰り返すヤツだ。レセプションに両替を頼むが、タクシーはクレジットカードが使えるので必要ないとのこと。今日は再びスウェーデンに移動するのでこれ以上NKRを持っていても仕方ない。タクシー代はカードで払う事にする。

天気は曇りだが、空港まで快適なドライブ。タクシーの運転手のおっちゃんは、英語がほとんど通じずちょっと不安。クレジットカードは使えるとのことだったが、空港まで到着し、いざ支払いをしようとすると、今度はクレジットカードの読み取り機の使い方が良く分かってないようで、我々の不安をまたまた増やしてくれた。でもまぁ何とか支払いも終わり、運ちゃんは最後は愛想よく去っていった。やれやれ。

と、無事空港に着いては見たものの新たな不安が発生。人の気配がまったく無いのだ。スヴォルヴァー空港はもともと小さな地方空港で大した施設もないのだが、それでも空港スタッフとか乗客とかの数人はいてもよさそうだ。なのに、駐車場もガラガラで、滑走路を見渡しても人影はおろか、肝心の飛行機の姿すらまったく見えない。一応小さな建物はあるのだが、そこにも人の気配が無い。空港の回りには岩山と小さな湖だけ。そもそも本当にここは空港なのか?といった疑問が沸いてきて、建物の入り口を見ると、小さくLUFTHAVNと書いてある。スウェーデン語でLUFTは空気だし、ちょっとスペルが違うがHAMNが港なので、これは多分「空港」という意味だろう。(ちなみにスウェーデン語では空港はFLYGPLATS(フリューグプラッツ)と言う。)空港には間違い無さそうだが、本当に飛行機が来るのか不安だ。

飛行機のチケットはすべて日本で手配しておいたのだが、スヴォルヴァー空港からオスロまでの移動に使うVIDERO/E航空というキャリアは日本ではとてもマイナーなようで、最初はJTBでも、え、そんなキャリアあるんですか?ってな感じでいろいろ調べてもらってようやく探し当ててもらたくらいだ。そんな事もあって、本当に飛行機が来るのか不安が募る。

しかし、これはとり越し苦労だったようだ。ヴィーデロー航空は地元ではポピュラーなキャリアで、ノルウェー国内の地方空港を網の目のように結んでいる。ノルウェーは地形や気象条件のため鉄道や車での移動が困難な事から住民は飛行機をバス代わりに使っているような感じだ。この空港も、まさにバス停のような感じで、普段はまったく人の気配がないのに、飛行機がやってくる時刻近くになるとどこからともなく人が現れてきた。いつのまにか空港の建物内の窓口にもちゃんと人が現れていていて無事チェックイン出来た。

定刻の少し前に 双発のプロペラ機 が着陸した。どうやらこれに乗るらしい。プロペラ機はジェットより離陸時の加速が急で楽しい。窓から時々 眼下の景色 が見えたが、細く入り組んだ複雑な海岸線に道が一本、海岸線に平行して走っているだけであとは山と海しかない。間違いなく、日本にはない風景だ。

約1時間でボードー(BODO/)着。さすがにスヴォルヴァーより大きいが、まぁ小さな街だった。トランジットまでちょっと時間があるので市内を歩いて見学。NKRを使い切るためにお土産等を買い、すぐに空港へ戻る。

オスロ行きの飛行機は流石にジェット(MD81)だった。途中、 簡単な機内食 が出る。オスロ空港はストックホルムのアーランダ空港より小さく、なんかゴミゴミしていて活気があった。今度のトランジットは時間が無く、すぐにストックホルム行きに乗換え。機種はまたまたMD81。北欧の地に足を踏み入れ、5日間も北極圏の自然の中にどっぷりと浸かっていたわけだが、再び都会に戻ってきた妙な感覚は、何日か山に登っていて下山し、下界(登山用語で街のことを言う)に降りてきた時と似ていた。

6日前、最初にストックホルムの地を踏んだ時は天気が悪く、暗くて寒々とした感じがしたが、6日ぶりに戻ってきたストックホルムはいい天気で、まるで別の街のようだった。太陽の光はさすように眩しく、青空は美しく、湿気が少ないので快適。ガイドブックにある通り、 美しく輝いていた 。まさに正真正銘、夏の北欧だ。

今夜の宿泊先、ホテルアンノ(HOTEL ANNO 1647)にチェックイン。レセプションのおねーさんはやたら元気が良くて、私達を見るなり両手を上げて「ウェッルカ〜ンム!!」と言いながら迎えてくれた。スウェーデン人はシャイな筈なのに、えらく陽気だ。

ホテルはちょっと古いが落ちついていていい感じ。部屋の間取りも変わっていて、全体的にやたら細長くて、3畳くらいの広さのベッドルームとリビングに分かれている。ホテルのロケーションはガムラスタン(GAMLASTAN 旧市街)へも歩いていける距離。荷物を置いて、さっそくガムラスタンへ。ガムラスタンはストックホルムでもっとも古い地区で 中世の街並みが残っている。 といっても中世の頃建てられた建築物を大事に保存している野外博物館というわけではなく、ちゃんと人が生活している現役の街だ。住居やレストランやブティックといった普通のお店もあるのだが、外観は街並みを壊さないようすべて昔風になっているところが面白い。例えばコンビニなんかもあって、 外から見るととてもそのようには見えない が、店内に入るとごく普通のセブンイレブンだったりするところが面白い。

そんなわけで、ガムラスタンはストックホルムの観光地として外せない場所だ。中世の街並みを眺めながら散歩するも良し、建物の概観と店内のギャップを楽しむも良し。もちろん普通にショッピングや食事も楽しめる。ブラブラと散歩していたら、ムーミングッズのショップを発見したのでムーミンのマンガを買う。

いったんホテルに戻り、夕食に出かける。スウェーデン料理を食べたいと思いレセプションの元気のいいおねーさんに「スウェーデンに滞在するのは今晩が最後なので、何か典型的なスウェーデン料理を食べたいのだけれど、お勧めの店はありますか?」と尋ねてみたら、「スウェーデン料理と言われてもよく分からないけど、私がよく行く店でよければ」と言って一軒の店を紹介してくれた。

教えてもらったスウェーデン料理?レストラン、ブロードッレン(Bla^ Do:rren The Blue Doorの意)で夕食。 肉料理 きのこ料理 など適当に頼む。典型的なスウェーデン料理といえるのかどうか良く分からないが美味かった。8時頃店を出るがまだ十分明るい。日本の夏の昼下がり、といった感じで太陽がさんさんと輝いている。オープンカフェでコーヒーやビールを飲みながら談笑している姿をカメラに撮ろうとしたら、 ビールを飲んでいた2人組が両手を上げてポーズを取ってくれた 。普段はシャイなスウェーデン人も夏の間は太陽が嬉しくて陽気になるという噂は本当だったようだ。(でも、あれはイタリアからの旅行者かもしれないが。)

ホテルに帰ろうかとも思ったが、こんなに明るく、しかもいい天気なので、オープンカフェで ビールとティラミス を頼みもう少し夏の太陽を満喫。ストックホルムの緯度は今まで滞在していた北極圏に比べたら随分低いので、夏の間も夜はちゃんと来る。ただ、日本とは比べものにならないほど昼が長い。ホテルの帰り道に見かけた 夕日がとても美しかった 。ずっと太陽の沈まない場所にいたので、久しぶりに見る日没の風景だった。


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