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私的山飯論

山での食事に関するコラムです。私の山の食事のスタイルや、お勧めメニュー、長年の経験から得たtipsなどを少しずつ紹介していきます。

Index
  1. 朝食はスピードが命
  2. 昼飯はバリッとニュルッ
  3. 晩飯はやっぱりレトルト
  4. 予備食対決 チキラv.s.マルタイ
  5. 嗜好品(っていうか、アルコール)
  6. 酒のアテNEW
  7. おまけ(失敗談)NEW
 


1.朝食はスピードが命

初回から申し訳ないが、私は朝食にはあんまりこらないのでtipsというほどの技はない。従って朝食のスタイルの紹介のみになってしまうのでご了承を。

さて、私が山に行くときの定番の朝食だが、取り合えずコーヒー、それも必ずレギュラーコーヒーを一杯のむ。これは、山に限らず私のいつもの習慣で、朝はレギュラーコーヒーを飲まないと一日が始まった気がしない。それから、喉が乾いているときは更に紅茶とかカップスープなどを飲みながらパンを食べる。腹が減っているときはレーション(行動食)などもつまむ。時間がもったいないのでラーメンや雑炊などの調理を必要とするものは食べない。朝食はいつもこんな感じでなるべく短時間で済ませる。スピード優先。それから念のため書いておくけど、アルコールはとらない。いくら酒好きの私でも、山でちゃんと行動する日は流石に朝からアルコールは我慢する。もっとも停滞のときには定かではないけどね。

停滞の日にテントサイトで飲む寝起きのアルコールは最高だ。アルコールの種類は暖かい時期なら文句無しにビールだが、寒い時期ならウィスキーのコーヒー割りがお勧め。カフェインが眠気を覚まし、ウィスキーが眠気を呼び、アルコールの酩酊感とカフェインの覚醒感が交じりあった感覚は実に幸せな気分にさせてくれる。皆さんも是非お試し有れ。


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2.昼飯はバリッとニュルッ

昼食にラーメンを作ってる人を山でよく見かけるが、私はアレは好きではない。腰を落ちつけてしまうと次の行動が億劫になるからだ。学生時代のクラブの時の習慣で、昼飯は今でも行動食、つまりレーションにしている。

レーション。もともとは軍隊の行動食。食べやすく、消化しやすく、エネルギーにすぐ変わり、保存が効いてコンパクト、おまけに腹持ちがいいものが理想。とはいえハードな山行でもなければ、そんなにシビアに考える必要もないので、調理を必要としないものなら何でもいいから好きなものを食えばいいと思う。私の学生時代もレーションには色々なものが登場した。ポテトチップスやクッキーといったスナック菓子や、カステラ、果物の缶詰。納豆なんてのもあったな。

レーションに何を選ぶかだが、私の場合必ず持っていくのが醤油味の煎餅。まず米ベースなので腹持ちがいい。全国どこのスーパー、コンビニ、食料品店でも入手可能。醤油味が食欲をそそり、バリッという歯ごたえが次の行動への活力を促す。ザックに詰め込んでつぶれてもクッキーほど粉々にならないのもいい。夜になると酒のアテにあるのもいい。そういうわけで、山には必ず煎餅を持っていっている。

辛いものと言えば次は甘いもの。甘いもので最初に思いつくのは定番のチョコレートだが、夏山ではあっけなく溶けてしまう。チョコレートは溶けるとミルクとカカオ成分に分解してしまい不味くて食えたもんじゃない。そこで夏山でチョコの変わりに愛食しているのが一口ゼリーである。少々かさばるが、水分を含んでいるのでバテ気味で食欲のないときでも喉を通りやすい。ずっしりしていて腹の足しにもなる。コンニャクゼリーなら食物繊維を含んでいるので、水分の摂取不足と環境の変化で便秘になりがちな山行中にも強い味方だ。グルメっぽく言うと、前述した煎餅との食感の対比も楽しめる。というわけで、基本2パターンは煎餅とゼリーで決まり。あとはその時の気分で適当に追加していくのである。

例えばソーセージ。あらびきソーセージなんてのはお洒落でいい。あらびきソーセージは火を通さないと食べられないと思っている人もいるが、生でも大丈夫である。(多分)。夜にテントの中でストーブであぶりながら食うとビールと最高に合う。欠点はビールが欲しくなってしまうことか。

貧乏な向きにお勧めなのは魚肉ソーセージ。略してギョニソというらしい。オレンジ色の袋に一本ずつパックされて10本くらいが束になって売ってる、あの、細長いやつだ。あれは酒のアテにもなるし、晩飯のおかずにもなるし、サンドイッチの具にもなる応用範囲の広い優れものだ。しかも安い。何の肉が入っているか分からないが肉には違いない。

ところでこの「ギョニソ」の開け方だが、先っぽの金属の部分を歯でひっかけて食いちぎる人が多い。確かにアウトドアっぽいワイルドな方法だが、これはスマートではない。ましてや歯が欠けたり差し歯が抜けたりしたら、おまぬけだ。ナイフで開けるのもいいが、たかがギョニソ如きにちょっと大層な気がする。で、私のお勧めはというと、真ん中でよじって開ける方法。何重にもよじっていけば、やがてプツンと切れて真っ二つになる。何故だかしらないが、いつも片一方は中身がくにゅっと飛びだし、もう一方はよじれた部分が残っている。一本で二本食べられるので何か得した気分にもなるし、半分だけ食べて後は残しておこうという時も便利。お勧めの食べ方である。

カロリーメイト(通称カロメ)はバランス栄養食というだけあって体に良さそうだが、1泊や2泊の短期の山での食事はバランスうんうんよりすぐエネルギーにかわる物のほうが有利だそうだ。普段の食生活がきっちりしてれば、1日や2日ビタミンやミネラルをとらなくたって大丈夫というわけだ。それと、カロメはパッキングが悪いとつぶれてしまってカロリーメイコ(粉)になってしまうので要注意。

あと最近のお勧めは10秒チャージのコマーシャルでおなじみのウィダーワン。最初はばかにしていたが、一度洒落で試してみると結構体にエネルギーが補給されたようで、体の奥から力がみなぎってきたように感じた。ゼリー状で飲みやすく、キャップ付き容器なので一度に飲まずに小分けに楽しんでもいける。ちょっと高いのが難点だがカロメなんかよりよっぽどレーション向けなので、お金のあるムキはお試しあれ。


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3.晩飯はやっぱりレトルト

私は単独行では面倒な料理はつくらない。大抵、飯を炊いて、おかずはレトルト食品で済ます。レトルトといえば昔はカレーくらいしか無かったのだが、今では様々な種類があり、味も馬鹿に出来ないくらい美味いものもある。何を食うかは個人の嗜好と予算に合わせて選べばいいが、私のお勧めはハンバーグとカレーを一緒に食べる、ハンバーグカレーだ。ハンバーグとカレーは子供ならみんな大好き。大人も好物なはずだ。昔はみんな子供だったのだから。私も大好きだ。しかも安くてボリューム満点。全国どこでも入手可能というのもポイントが高い。

さて、そのレトルトの暖め方だが、私はいちいち鍋に水を入れ湯を沸かして温めるといった面倒なことはしない。飯を炊いている間、「おもし」を兼ねてレトルトパックをコッヘルのフタの上に乗っけておくだけである。飯が炊ける頃にはレトルトも温まっている。調理と後片付けの時間短縮になるし、燃料の節約にもなるわけだ。

次に食べ方だが、中身をコッヘルに開けると後で片付けが面倒なので、パウチのままスプーンですくって食べることにしている。どうせ口の中に入れば同じだからだ。それでは味気ないと思う人は、コッヘルにあらかじめラップを敷き、その上にご飯とレトルトの中身をぶちまければ、後で食器を拭いたり洗ったりする必要がない。

なお、アツアツのレトルトを素手で持つのは流石に熱いので、私は左手には軍手をはめて持つようにしている。食事中、片手に軍手をはめておくと、熱いコッヘルを持ったりストーブを動かしたりする際の火傷防止にもなるので何かと便利だ。

最近はあんまり機会がないが、パーティーで行くときはなるべくちゃんとした飯を作る。みんなでワイワイ言いながら山で飯を作るのは楽しいものだ。キャンプ料理の定番といえばカレー、シチュー、トン汁、といった煮込み料理。材料を切って煮込めばOKの単純な料理で、誰がやっても失敗が少ないのがポイントだろう。しかし、いつも同じメニューだと飽きてくる。ここで私のお勧めメニューはポトフ。何やら高級っぽい言葉の響きではあるが、何のことはない、フランスの鍋だ。作り方も材料を切って煮るだけ。味付けは固形スープの元。ポイントはセロリは必ず入れること。あと、荒挽きソーセージを入れると美味い。カレーとシチューとトン汁しかレパートリーの無い人は、是非次回の山行でお試しあれ。

あと一つ、簡単に出来て山っぽくない料理のお勧めレシピ、白菜の煮物を紹介する。作り方は簡単。白菜を適当に切って味付イワシやサバの缶詰と一緒にコッヘルにぶち込み、酒と醤油を少々振って蓋をし、煮るだけ。白菜の水分が出てきてしんなりし、味がしみ込めば出来上がり。居酒屋の突き出し風で、酒のアテにも飯のおかずにもなる逸品だ。


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4.予備食対決 チキラv.s.マルタイ

今回は予備食について。予備食とは冬山などの長期山行で、悪天等のため行動できなくなることを見越して持っていく予備の食料のこと。かさばらず調理が簡単で腹持ちがいいことが条件。具体的にはインスタントラーメンがポピュラー。
※ ちなみにチキラとはcheck it out!の今風の表記ではなくチキンラーメンのことである。
と前置きはこれくらいにして本題に入ろう。学生時代、予備食といえばマルタイラーメンが定番だった。スリムでコンパクトなパッケージで麺がそうめんのようにストレートで束ねてあるためザックの中で押されてもつぶれにくい。加えて一袋に2食分入っているのが貧乏学生には嬉しい。携帯性とコストパフォーマンスでは他の追従を許さない、まさに貧乏学生の予備食として開発されたかのような商品だ。

しかし私はチキンラーメンを強く推す。チキンラーメンには麺を入れて煮るだけの調理の手軽さに加え、調理しなくても食べられるという圧倒的な長所がある。しかも美味い。パッキングが悪くて砕けてしまっても、ベビースターラーメンとなって行動食や酒のアテになるという、ころんでもただでは起きないしたたかさだ。

私がチキンラーメンを強く推す理由はマルタイにまつわる、ある想い出のせいでもある。学生時代の話に戻るが、マルタイラーメンは、そのコストパフォーマンスの良さから予備食のみならず朝飯にも度々登場した。何を隠そう私が生まれて初めてマルタイを食したのは大学1年の時、予備合宿の朝食に出てきた餅入りマルタイだった。その時のマルタイは、煮込みすぎて麺がニュルニュルに伸びきっており、煮すぎてドロドロになった餅と麺が融合して得体の知れない食べ物と化していた。水分を十分に吸った麺は体積がもとの3倍くらいに膨れあがり、とても食えた量ではなかった。朝からニュルニュルドロドロを大量に食べた私は、その日一日体調が悪くなって辛い思いをした。あれ以来、自分が食料係のときはもちろん、他の人にも朝食にマルタイを出すことだけはやめるようにと根回しをしてきたのだ。

それ以来、山でも下界でも食べる機会のなかったマルタイだが、ある時、家でやむなく作るはめになった。他に食べるものが無かったのだ。過去の忌まわしい経験があるので、失敗を避けるために袋の裏側に印刷してある作り方に忠実に作ってみると、あろうことか、これが結構美味かった。そう、マルタイってちゃんと作れば美味いのだ。学生時代に食べたあのニュルニュルドロドロは食料係が悪かったのである。いや、正確には飯の支度が出来ているのにシュラフをたたんだり食器を探したりぐずぐずしていたメンバー(含私)が悪かったのである。マルタイの細麺はすぐ茹で上がる。餅と麺を同時に入れると、2分もあれば麺は出来るが餅はまだ固い。餅が出来上がるころには麺はふにゃふにゃだ。おまけに朝は皆、寝起きで行動がとろく、もたもたしてるうち餅もドロドロになってしまったのだろう。マルタイには何の責任も無かった訳だ。私はマルタイに謝罪した。そして、これからの予備食はマルタイであると確信した。しかし、社会人になってしまった私は残念ながら予備食が必要な長期山行にいく機会は殆どなくなってしまった。


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5.嗜好品(っていうかアルコール)

嗜好品というとコーヒーや紅茶、緑茶などの飲み物を指すが、ここでは私的にお勧めのアルコール類について紹介したい。

先ずは朝に飲む酒。朝からアルコールを摂取するなんて不謹慎且つ不健康に思えるかもしれないが、アウトドアでは健康的で爽やかな行為に思えるのは私だけだろうか?(酒飲みの言い訳?)まぁ朝に飲む酒といえば、朝食の時に紹介したアイリッシュコーヒー、つまりコーヒーのウィスキー割りがお勧め。朝からビールというのも悪くはないが、山の朝は夏でも冷えることが多いので、暖かい飲み物がよろしい。コーヒーに入れるウィスキーは何でもいいが、個人的にはバーボンが合うと思う。

で、昼はビールっていきたいところだが、ここでは赤ワインをお勧めする。理由は常温でおいしく飲めるから。一緒に食べるものはおのずと洋風になるが、フランスパンと赤ワインだけでもちょっとリッチなランチという感じ(あくまで雰囲気)になる。ビンがかさばるのが難点だが、ビールと違って大量に飲むものでもないので重量はそんなに気にならないはず。

で、夜はやっぱりビールでしょう。私は主食がビールでもいいという人間で、山に限らず酒と言えば先ずはビールが無ければ始まらない。ちょっと脱線するが、食事しながら飲む酒で、もっともメニューを選ばないのはビールだと思う。一般的に醸造酒は香り成分が多いのでメニューを選ぶ。ワインは酢の物には絶望的に合わないし、日本酒と西欧料理もいまいちしっくりこない。ところがビールは例外で、私はビールに合わないメニューに出会ったことがない。和・洋・中華料理はもちろん、柑橘系の果物にもよく合うし、ケーキのような甘いものと組み合わせても悪くない思う。え゛ーまじー?と思う人は、一度騙されたと思ってみかんをアテにビールを飲んでみて下さい。イケルから。(コロナビールにライムを入れたり、ビアカクテルとかと同じ発想。)

このように、オールマイティなビールだが、雪山とかで寒い場合は、体が冷えてしまい熟睡できなくなるのが玉に瑕。しかも利尿効果で夜何度も小キジ(小便)に出なきゃいけない羽目になる。寒い時期はある程度でウィスキーなり焼酎なりのハードリカーに切り替えるべきだろう。

山中でビールを飲む場合の問題点はまだある。それは重いことだ。が、これは何とか我慢出来る。というか、我慢するしかあるまい。しかし、冷やさなければいけないというのは夏山では大問題だ。本場ドイツなどではビールは常温で飲むことが多いようだが、日本のビールはやはり冷やしたほうが美味いように出来ている。そこで夏山で冷たいビールを飲む方法だが、日帰り低山なら朝冷凍した保冷材とかを持っていけば一日は冷たいビールが持ち運べる。3000mクラスの高山ならどっかに雪渓が残ってるのでそれを利用すればよし。問題は雪渓はないけど数泊しないといけないような深い山だ。登山口で購入した冷えたビールもテントサイトにつく頃にはぬるくなっている。以前、気化熱を使って冷やす方法(濡れタオルを巻いておくというヤツ)を試してみたけど、何でも1〜2度しか下がらないそうで、手間がかかる割には気持ち冷たくなったかな、という程度だった。気持ちの問題ならもっと簡単な方法がある。テントサイトに着く前のピッチで歩くペースを限界まで上げるのだ。且つ水制限もして、のどの渇きを促し、疲れきってへとへとになり暑くて仕方ない、という状況を作り出す。そして、テントサイトについたら間髪をいれずにグイッと飲るのだ。要するに体の方を熱くすることで、相対的にビールの温度を冷やそうとする方法。まさに発想の転換(自画自賛モード)。もっとも人間は恒温動物なので厳密には暑いだけで熱くはなってないはずだが、気分的には2〜3度は体温が上昇していると感じるので、気化熱でビールを冷やすより150%〜200%もの効果がある!50歩100歩?でも、それでも試そうという貴方(含私)は余程の好きもの(笑)。

ちなみに高山で缶ビールを開けるときは注意。下界と同じ感覚でペシッと不用意に開けると気圧の関係で猛烈な勢いで泡が吹き出し、大体30%くらいが文字通り泡と消えてしまう。プ、シ、シシシシシ、シュシュシュー、ペコッ(最後はプルタブを起こす音)とやるべきだ。

最後に。山でいつもあれば便利だなーと思うのが粉末アルコール。水に溶かせばあっというまにビールやワインやウィスキーになるというもの。私が生きているうちに、というか、山に行ける年齢のうちに、是非開発されて欲しいと切に思う。


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6.酒のアテ

酒といえば次にくるのはやっぱりアテ。平たく言えば、おつまみだ。アテといっても枝豆とか冷奴、シシャモに串かつといった居酒屋定番メニューもあれば、柿の種やポテトチップスといったスナック系、それにスルメやビーフジャーキーやいかくんといった珍味系など、いろいろ分類できるが、ここでは食材としても使えて山でも応用の利く、何かと重宝するメニューを紹介したい。

先ず一番のお勧めはあらびきソーセージ。これは普通に飯のおかずにもなるし、大抵は保存料が入っているので日持ちもする。腹持ちもいい。コンビニなどで簡単に入手可能。で、一番の理由はストーブであぶりながら食べると焚き火の気分が味わえるという点。キャンプで酒というと理想的には焚き火を囲んでアテを火にあぶりながら食い、飲み、バカ話をする、というのがベストだが、雪山や高山では焚き火なんて出来ない。シュラフをかぶってストーブの青白い炎を眺めつつ、ウィスキーをチビチビ舐めるというのも悪くないが、単独行ならともかくパーティー山行きではちょっとさみしい。そんな時、皆であらびきソーセージをストーブでアブリながらビールなどをやると盛り上がる。別にあぶるのは何でもいいのだが、粗挽ソーセージはストーブであぶると、脂がバチバチと派手にはじけるので、焚き火をしているような雰囲気が出るのがいい。なお、あらびきソーセージを食する時はチューブ入りのあらびきマスタードがあると、美味さ倍増だ。

長期山行なんかでは、コンビーフの缶詰が重宝する。大量に持っていけば、酒のアテはもちろん、朝飯のサンドイッチの具としても使えるし、夜の主食の肉としても使える。コンビーフはしっかりした味付けなので、これを使って料理するとコンビーフ味になるのが玉にきずだが、逆にいうと味付けには失敗しない。まぁ、長期山行だと、何を作っても大抵美味いのだが。あと、予備食の所でも書いたが、チキンラーメンはアテにもなるので、予備食も兼ねて多めに持っておくと、アテが切れたときに助かる。

初日の宿泊が登山口なら、コンビニなんかで唐揚を購入するのがおすすめ。大目のラードをコッヘルに溶かしていためれば、表面は揚げたてカリカリ中ははふはふ状態。居酒屋のチェーン店なんかで注文するものより、はるかに美味い。

ウィスキーやブランデーといったハードリカーには甘いものも結構あうので、賞味期限の切れかかった非常食のチョコレートを消費してしまうというのも手だ。マジでハードな山行をしている場合は、非常食を酒のアテにするなんて論外だが。

最初から朝はこれ、夜はこれ、アテはコレ、と決め撃ちしてきちっと用意して持っていくのもいいが、2〜3泊以上のある程度長期間の山行なら、いろいろ応用が利くものを適当にもっていって、山行中の気分や体調でいつ何を食べるかフレキシブルに変更しながら山での食生活を楽しむっていうのもいいものだ。この辺りは長期山行では重要なノウハウだと思う。



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7.おまけ(失敗談)

最後に山というか、アウトドア料理での失敗談を披露する。話は学生時代。もう随分前のことだ。アウトドア系の雑誌では、川原で焚き火の回りに適当な木の枝にさした岩魚や山女といった渓流魚を立てて、あぶりながら食べるというシーンをよく見かける。そんなありがちなシチュエーションに憧れ、実践することにしてみた。といっても渓流釣りの技術を持っていた訳でもないので、魚はスーパーで買出し。岩魚や山女なんていう渓流魚は普通のスーパーでは入手困難で、あったとしても高いので、形が良くて、大きさも手頃で、値段も安い、鯵(あじ)を選んだ。数匹パックになっているのを買って、日没のせまる夕方、行きつけの川原へ到着した。早速細い枝をナイフで削って鯵を適当にさして、焚き火の周りにおいた。格好だけはアウトドア雑誌、ビールなど飲みながら悦に浸っていた。やがて、表面が頃良く焼けてきたのでかじってみたが、これが見事に大失敗だった。

察しのいい人なら気付くと思うが、まず魚に鯵を選んだのが失敗。鯵は小骨が多く、串刺しにしたものを丸かじりするという食べ方は適さない。格好よくかじったあと、口の中で小骨と格闘する羽目になるからだ。

さらに致命的だったのが、生焼けだったこと。焚き火の火力は派手に炎が燃え上がっている状態より、おき(熾火)になっているほうがはるかに強い。中までしっかり火を通すには、おきにした状態で焚き火の上に魚をかざして、いわゆる遠火の強火でじっくり焼く必要がある。でもそれだと絵にならないので、雑誌などでは派手に燃える炎の周囲に魚を並べているわけだ。そんな雑誌の演出(嘘)見抜けなかった私は、自分の青二才さに自嘲した。

この話にはまだ続きがある。これも雑誌や小説などでよく見るパターンの物まねだが、焚き火で焼くことを諦め、代わりにアルミホイルの包み焼きににするという手を使った。アルミホイルを持っていったのは賢かったが、しかし、これも大失敗。早く食べたかったので焚き火に直接掘り込んだため、アルミホイルが溶けて灰の混じった状態になってしまったのだ。しかも、バターやサラダオイルといった油類を持っていかなかったので、アルミホイルと魚がくっついて、大変食べにくかった。そんなわけで、その日(一人分としては)大量に買った鯵を食べ切るのに深夜まで随分苦労した思い出がある。

だいたい、海の魚を川原で焼くという時点で可笑しい。今にして思えば微笑ましい「若さゆえの過ち」だった。



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